何度か告知していた、TV朝日の『天才キッズ~君ならデキる!!~』のオセロ対決


遂に昨日放送日を迎えました♪


対決するのは小学生グランプリ2017チャンピオン、第12期小学生王座のあっくん五段と、第44回オセロ全日本選手権覇者の長野七段


オセロ界では既に二人とも超有名人なんですが、両名をよく知らない方の為にちと解説をするとですね…


まずは天才キッズとして出演したあっくん五段なんですが、彼がオセロを始めたキッカケは2年前、小4の時のオセロ小学生グランプリ予選


この時の最終戦あと1つ勝てば全国大会出場という所で、番組でも写真の出ていたN島二段(オセロ小学生グランプリ2017・第38期名人戦小学生の部共に3位)に敗れて全国大会出場を逃してから、悔しくてオセロの勉強を始めたそうです


1年間実力を蓄えた彼は、翌年のオセロ小学生グランプリ予選を制すると、その勢いそのままにオセロ小学生グランプリで3位入賞を果たします


更にその後の第11期オセロ王座戦で、レート対象大会(ランキング対象となるオセロの公式戦)初参加で三段昇段という離れ業を演じて衝撃のデビューを果たすと、その後も目覚ましい活躍を見せてオセロ界にその名を轟かせていきます


それから更に1年後のオセロ小学生グランプリで、前身番組の『なら≒デキ』のオセロ対決に出演したF地五段を激戦の末僅差で降し、悲願の小学生タイトルを獲得


今年9月に行われた第12期オセロ王座戦では、史上2人目となる小学生での五段昇段を果たして小学生王座を獲得したまさに天才キッズ…収録時には日本ランキング10位に入っていました


一方の長野七段は関東のプレイヤーで、関西在住だと対局の機会も中々無いんですが、強豪が集うリバーシアプリ『リバーシ大戦』で長きに渡りランキング1位に君臨し、メジャー制覇(名人戦、全日本選手権、王座戦をオセロの3大メジャー大会と言い、優勝すると世界選手権代表となります)に最も近い有力プレイヤーという印象を持っていました


そして昨年の全日本選手権で決勝戦に進出すると、先述の『なら≒デキ』でF地五段と対局した高梨九段を破り悲願のメジャー大会初制覇を果たします


更にその後の世界選手権では予選全勝で決勝トーナメント進出を果たすなど、日本屈指の若きスーパープレイヤー…めちゃくちゃ強い方です(^_^;)


そんな2人の対局の収録が行われたのは9月


その後に大阪支部定例会にも取材が入りました


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番組の中で流れたスタッフの方との対局やインタビューはこの時に撮影されたモノですね~


ちなみにワタシもインタビュー受けたんですが、見事に全編カットwww


一応あっくんの紹介の時にかろうじて後ろに写りこんでいましたが…


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誰だか分からん(T-T)


さて肝心の対局の方ですが、玄人向けの解説は長野七段がブログに書いてくれたのでそちらを読んで頂くとして…


リンク:黒引き分け勝ち


こちらでは分かりやすく解説出来ればと思います


まずは序盤ですが…


オセロにも定石というのがあって、序盤はある程度研究されているんですが、当然有名な手筋は知っている人も多いので、あえて最善手(1番良い手)を外して、相手も知らない展開に持って行くという事がよくあります


今回の対局ではまずあっくんが仕掛けました


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長野七段の序盤の研究にハマらない様にと言っていた言葉通りに放ったこの一手


オセロの研究用のソフトで解析してみると…


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TV画面に合わせて数字が横向きになって見にくいですがご容赦下さい(^_^;)


この数字(評価値と言います)の意味はですね…以降白黒共に最善手を打ち続けると、その数字の石差通りに決着するという事を意味しています


この時点であえて不利になる手を打ったという事になりますが、人間対人間の対局であればあって無い程の差とも言えますかね…


ちなみに冬蛍とあっくんの過去の棋譜をみてもこの手を打っていた事はあったので(その時はあっくんは敗れています(^o^)v)彼にとっては研究の範囲内


その後対局は進行し、解説の中島八段が「こういう手をサクッと打つ」と評したこの局面


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ここで長考した長野七段なんですが、あっくんが作ったくぼみに打つのが良いと分かっていたみたいなんですが、研究にハマるのも嫌なのでという事で他の所に着手したらしい


すかさずあっくんはそのくぼみを潰しに…


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相手が打ちたい所…相手の好手に先に打ってしまおうという「先着」という考え方…これも良く打たれる手筋ですが、モノ凄い高度な駆け引きが行われていました


前半戦で最後に映ってた盤面での評価値はこんな感じ




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黒の天才キッズことあっくん五段か優勢でした


これ以降、長野七段は相当に苦しくなって、一時は評価値的にはかなり大差になってたんですが、その局面はTVには映って無かったので割愛します(^_^;)



それでもそこから勝負が紛れるのがまた面白い所…そしてその紛れが生まれる局面に持っていくというのも凄いですよね…流石は全日本チャンピオンといった所


長野七段が頭を抱えたと言われた直後に局面は互角に戻って…


ここで長野七段は勝負のX打ち


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X(エックス)というのは隅の斜め横のマスのことで、普通はそこに置くと隅を取られてしまうんですが、この互角の局面では…


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斜めが白1色になっているので、黒は簡単に隅は取れないという、まさに絶妙手!!


しかし…その時点で長野七段の持ち時間は1分ちょいで、空きマスは14個


これはいくら日本最強クラスのプレイヤーでも相当に厳しい条件


そして長野七段の残り時間が30秒を切った所で…


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ここで左下の-12の所に打ったのが敗着となりました


●あっくん五段
○長野七段





対局終了後に印象に残ったのは、小学生グランプリの決勝動画や今年の王座戦の対局を見てても思ったんですが、対局終了後に相手の前で喜びを表情に出さなくなったなと…


デビュー戦の王座戦の時には勝ち確定になったら対局中にガッツポーズしてて、パパさんに「あれはやめさせましょう(^_^;)」って話した覚えがあるんですが、大舞台やトッププレイヤーとの対局をたくさん経験して、もちろん相手へのリスペクトもあると思いますが、王者の品格というか風格みたいなモノが身に付いてきた感がありますね~


さて見事に天才キッズことあっくん五段が勝利した訳なんですが、歴代の小学生チャンピオンであればみんな全日本チャンピオンと互角に戦えるかと言えばそうではありません


今のジュニアオセロ界では強い中学生も沢山いるんですが、その強豪たちを差し置いて中学生以下でランキング上位にいるのが、ともにこの企画に出演したあっくん五段とF地五段の2人の小学生


史上初の小学生五段となったF地くんと、遅れる事半年で史上2人目の小学生五段となったあっくんは、過去の小学生トップオセラーと比べても飛びぬけて強いと言えます


今後こういう企画があったとしてもこの2人以外で勝利の可能性があるかというとその確率はかなり低いかと…


そういう意味では番組冒頭の『オセロ界の藤井四段』という表現もあながち大げさではないかもしれません…ワタシは関根勤サンが言っていた『阪田三吉』の方がイメージ的にピッタリ来ますけどね~


彼はこの後、10月末からベルギーで開催されるオセロ世界選手権にユース代表として参加します


現在のオセロ世界選手権優勝の史上最年少記録は谷田七段の15歳なんですが、その記録を更新する可能性もあるんじゃないか…(ちなみに今も現役プレイヤーの谷田七段はボーイングの機長で、今回世界選手権行きの飛行機の操縦桿を握るなんて言う漫画のような話があるそうですΣ( ̄ロ ̄|||)) 


そんな期待を膨らませてしまうほどのとんでもない逸材ですから、今回この番組を見てオセロに興味を持った方は、ぜひ彼の世界選手権での活躍にも注目してみてください!!


そしてこの番組でのオセロ対決は、どうやら来週もあるみたいですよ~Σ(・ω・ノ)ノ


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